初めまして、万象(ばんしょう)と申します。
このブログでは、20年以上「著作権」の調査研究に携わってきた著者が、著作権についてわかりやすく解説をしていきます。質問も随時受け付けておりますので、疑問点はどしどしコメントくださいね!
さて、著作権と言えば、最近もYouTubeにおける将棋の棋譜に関する件で話題となりました。
具体的には今年1月、将棋の棋譜をYouTubeなどの動画内で示した者が、将棋を実況中継していた会社から動画の削除申請を受けていたところ、その削除申請を撤回させる判決が、大阪地方裁判所で言い渡された件です。
この判決では、将棋の棋譜を示した動画がその会社の著作権を侵害しないことと、棋譜情報が公表された事実であって自由に利用できることが示されました。
この判決にしたがえば、将棋の棋譜を示すことは著作権の侵害にはならないことになりますが、この判決は恐らく確定していないので、まだ何ともいえません。被告である会社が控訴する可能性があるからです。
将棋の棋譜を示すことが著作権の侵害になるか否か、これはとっても大事な問題であり、大阪地方裁判所の判決が確定するか、控訴審で逆の判断となるかで、多くの方に影響を与えることになるでしょう。
もっとも、一つの判決で全てが決する訳ではなく、事実関係が異なる他の裁判も待ちたいところです。
次回からは、著作権について解説していきます。