著作者を取り巻く権利について(5)
前回は、レコード製作者の著作隣接権を紹介しました。
レコード製作者にも、実演家の方々と同様に著作隣接権が与えられていましたね。レコード製作者も、音楽の著作物を皆に伝えてくれる存在であり、著作物を皆に伝える著作隣接権がレコード製作者に認められている、という話でした。
さて、皆さんは音楽を聴くのは、自分で購入したCDなどをプレーヤーに入れて聴く場合だけでしょうか。
ラジオやテレビの放送や、有線方法を通じて音楽を聴く機会も多いですよね。そして、演劇もテレビで放送される場合があります。
そうすると、放送事業者や有線放送事業者も、著作物を皆に伝える役目を持っているということができます。
著作権法は、実演家の方々やレコード製作者と同様に、著作物を皆に伝える著作隣接権を、放送事業者や有線放送事業者にも定めています。
放送事業者や有線放送事業者の著作隣接権の概要は、以下のとおりです。
○ 放送事業者や有線放送事業者の著作隣接権
・複製権
~放送や有線放送を、録音したり、録画したりする権利
・送信可能化権
~放送や有線放送を受信して、インターネット上で送信可能化する権利
・再放送権
~放送や有線放送を、再放送する権利
・放送の伝達権
~放送や有線放送を、超大型テレビなどで公に伝達する権利
なお、実演家の方々に認められている実演家人格権(実演家に固有の権利)は、放送事業者や有線放送事業者には認められていません。レコード製作者にもそのような人格権は認められていませんでしたね。
これまで、実演家の著作隣接権、レコード製作者の著作隣接権、放送事業者や有線放送事業者の著作隣接権を見てきました。
これらの権利の存続期間は以下のとおりです。
○実演家の著作隣接権の存続期間
実演した時から70年間
○レコード製作者の著作隣接権の存続期間
CDなどの販売から70年間
○放送事業者や有線放送事業者の著作隣接権の存続期間
放送、有線放送した時から50年間
実演家の方々、レコード製作者、放送事業者・有線放送事業者のお陰で、音楽の著作物などが我々に届きます。
著作隣接権は、これらの方々の実演や事業を支える重要な権利ですので、よく理解しておきたいです。