著作物を利用する人の側に立った「著作物の自由利用」には、ほかにも色々あります。今日は主なものを紹介します。
○ 図書館での複製
図書館には通常コピー機が設置されています。図書館内の本については、著作権者の許諾を得ないでコピー(複製)することができます。ただし、コピーができるのは本の一部分であり、一人一部だけです。
○ 引用
例えば自分のブログやSNSで、他人が書いた記事などを著作権者の許諾を得ないで引用することができます。この場合、記事名や著作者などの出典内容、すなわちどこから引用したものであるのかを掲載しなければいけません。そして、記事の全文を載せたり、自分が書いた文章との区別がつかなくなったり、その記事が主たる内容になってしまってはいけません。
○ 教科書への掲載
公表された著作物は、著作権者の許諾を得ないで学校で使用される教科書に掲載することができます。ただし、その掲載について、著作者に通知するなどの取り決めがあります。
○ 授業における複製等
学校での授業において、教師が教材作成のために他人の著作物を著作権者の許諾を得ないで複製し、公衆送信することができます。また、授業中に出された課題に取り組むために、学生や生徒も他人の著作物を複製し、公衆送信することができます。
○ 試験問題としての複製等
公表された著作物について、入学試験や検定試験の問題として複製し、公衆送信することができます。ただし、営利を目的とした試験問題の場合は、著作権者に補償金(ライセンス料と同じ額)を支払わなければなりません。
○ 営利目的ではない上演等
公表された著作物は、営利を目的とせず、聴衆や観衆から料金を受けない場合は、上演したり、演奏したり、上映したりすることができます。ただし、役者や演奏者に報酬が支払われるときは、上演などはできません。
○ 屋外の美術品、建築物の複製等
屋外にいつも設置されている美術品(彫刻作品や壁画)や、建築物は、写真撮影したり、撮った写真をブログやSNSに掲載することができます。ただし、美術品や建築物の写真を販売することを目的としている場合は、著作権者の許諾を得ずに写真撮影などはできません。
○ オークションでの商品紹介
インターネットのオークションサイトで美術品などを出品するときに、その美術品を紹介するために美術品の画像を掲載することができます。ただし、画像の大きさや画素数には限度が定められています。
○ 検索サービスなどでの利用
レストランなどの場所を検索するサービスや、情報解析の結果を提供するサービスなどで、公表された著作物について軽微な利用をすることができます。これらのサービスに付随して発生する著作物の利用が、著作権者の許諾を得ないで可能になるというものです。
上記以外にも「著作物の自由利用」の場合がありますが、まずは今日紹介した場合を把握しておきましょう。